サンクチュアリについて知ろう

「サンクチュアリって聞いたことはあるけれど」、という人はたくさんいるのではないかと思います。色々な場面で使われるサンクチュアリですが、バードウォッチングにおけるサンクチュアリとはどういう意味なのでしょうか。
今回は「サンクチュアリについて知ろう」についてまとめてみました。

サンクチュアリとは何か

サンクチュアリとは?

サンクチュアリ(sanctuary)とは「聖域」という意味があり、もともとは中世ヨーロッパの神殿や教会など、王権の力の及ばない地域のことをいいました。そこから派生して、「神聖な場所」、「触れてはならない場所」、「保護区」という意味合いを持つようになりました。

バードウォッチングにおけるサンクチュアリとは

バードウォッチングにおけるサンクチュアリは、野生鳥獣の生息地の保全を目的とした場所のことを言います。そして保全だけでなく、訪れた人がそこにある自然を直接体験する場所でもあります。
サンクチュアリは保護区や自然公園などの指定を受けたり、土地の所有者との協定を結んだりすることにより、そのエリアが開発などから守られます。ただし自然環境は年月とともに変化していくため、サンクチュアリが適切な状態にあるかモニタリングするための調査も行われています。

レンジャーとは何か

レンジャーとは?

レンジャーとは偵察や奇襲攻撃のための特別訓練を受けた遊撃部隊のことをいいますが、国立公園の管理員、森林管理員という意味もあります。
バードウォッチングにおけるレンジャーは、サンクチュアリの自然を守るために自然の調査や管理をしつつ、来訪者が自然と触れ合えるように自然体験の手助けを行う人という位置づけになります。

レンジャーの仕事って?

レンジャーには様々な仕事があります。

  • 自然環境調査…野生動物の生息環境がどのような状態にあるのかを、毎年同じ場所、同じ方法でモニタリングして調査を行います。数キロの山道を歩いたり、湿原のぬかるみで泥まみれになったり、また時には氷点下の雪原で寒さに耐えたりしながら集められたデータは、サンクチュアリを守るために役立てられています。
  • 自然環境管理…サンクチュアリの調査データを利用して自然環境を維持、もしくはより豊かにする活動です。草刈りをしたり、来園者のために観察路周辺を管理したりすることもそれにあたります。
  • 来園者への解説…サンクチュアリへの来園者は年間33万人にものぼります。来園目的は散策や観光、学校団体の学習など様々ですが、レンジャーはそれぞれのニーズに合わせて自然と触れ合うためのプログラムを実施します。来園者の質問に答えたり、イベントを開催したり、展示物やワークシートを作成するなど、その活動は多岐に渡ります。

日本にあるサンクチュアリを紹介

東京都立東京港野鳥公園

東京都立東京港野鳥公園は東京都大田区にあるサンクチュアリです。もともと埋め立て地でしたが、期せずして東京湾岸の自然が再生された野鳥の楽園で、多くの都民の希望により保全されています。
海とつながった潮入りの池やヨシ原、淡水池、森林など多様な環境で構成されています。毎年シギ・チドリ類、カモ類といった水鳥や、小鳥類、オオタカなど、年間120種類前後の野鳥が観察されています。

ウトナイ湖サンクチュアリ

日本野鳥の会は1981年、北海道苫小牧市にあるウトナイ湖に日本で初めてサンクチュアリを設置しました。それを手始めに日本野鳥の会みずからが運営する2か所のサンクチュアリと、地方自治体からの受託や指定管理者として7か所の施設を管理しています。
ウトナイ湖で現在までに確認された野鳥は260種類以上おり、日本でも屈指の渡り鳥の中継地でもあります。

まとめ

サンクチュアリについてまとめてみました。
野鳥にとっても人間にとっても素晴らしい場所であるサンクチュアリは、是非とも一度は訪れてみたい場所でもあります。日頃の疲れを癒しに、次のお休みに最寄りのサンクチュアリに足を伸ばしてみませんか?

>>その他の関連する記事はこちら → バードウォッチングのおすすめスポット